アスファルトやコンクリートが無かった時代に、「敷き石」の事を「石段」、「延べ段」、「石畳」と言い、「飛び石」は「伝い石」、「教(のり)の石」、「通石」、「踏み石」、「歩み石」と言う様に、足元に泥が付かないようにする為や、庭の芝生や苔などの植え込みを踏まない為に、雨や湿気の多い、日本の気候に必要な通路の舗装手段でした。 「敷き石」は門から建照物迄の通路、参道など通行頻度が多く、重要な場所に用い、「飛び石」は縁側の靴脱ぎ石から出て、離れ迄や茶室迄、勝手口迄の園路に使われました。それは実用性に欠け歩き辛いのですが、ゆっくり足元を見て、庭の眺めを楽しむ目的と、客人に「こちらからどうぞ」の誘導の目的でも用いられます。 現代では外部のほとんどにコンクリートが使われ、「敷石」や「飛び石」も無造作に石を並べているようにしか見られませんが、並べ方や敷き方には、違和感なく自然に庭を美しく見せる為の数々の工夫があります。昔から伝わるその奥の深い手法を簡単ですがこちらのページでご案内いたします。
アプローチ
都会の住宅事情ではカーポート兼玄関迄のアプローチが主流になります
土間コンクリートと白御影石のピンコロ、錆御影の平板敷石を用いたアプローチ(右)
サンセットピンクの敷石と流れをイメージしたアクセントの河玉石のカーポート
グラデーストンの 小端積みの階段
グラデーストンの 方形乱貼り
「敷き石」の畳方の各種
広々とした場所や格式の高い場所や通行の多い場所では敷石を用います。通路の動線が一直線の場合でも、単調に見えない様に、「延べ段」や「寄せ石敷き」で視線や動線に、流れの強弱と石の方向に変化を付けたり、枯れ流れを渡るイメージで「石橋」を架けて空間に上下の変化をつけます。
「門」の次に目にする大事なアプローチの部分は、「歩き易さの実用性」と「門と庭と建物の景観」と「植栽」と「添景物」のバランスを見ながら全体を演出します。
10年以上経過した錆御影石 のみきり仕上げ敷石(右)
「敷石」の手法
市 松 敷 き
短 冊 敷 き
煉 瓦 敷 き
四 半 敷 き
切 石 敷 き
氷 絞 敷 き
短 柵 寄 敷
霰 敷 き
飛 石 寄 敷 き
三 和 土 と 一 二 三 石
「飛び石」の手法
飛び石は、大きな庭では大きめの飛び石を深めに埋め込み、地面より少しだけ高くします。逆に小さな庭で使う場合は、小さめの飛び石を地面に浅く埋めて、地面から高めに設置します。 地面と飛び石の高さの事を「ちり」といいます。
「飛び石」の打ち方の基本
沓脱石の次の石1が二番石になります。沓脱石と二番石の次から飛び石と呼びます。以降番号順2〜10に飛び石を同じ高さに打ちます。それぞれの石の向きによって飛び石のつぎ方には名前があります。3と6は「本つぎ」と呼び、4と8は「あいば」、2と7は「脇つぎ」、5は「踏み分石」、9と10は「控石」と呼びます。石を並べる前に15cmの右足と左足の歩幅の平行線を引いて位置を決めた後、飛び石を打ちます。
園路や茶庭でみる「あられこぼし」という手法は、現代の庭ではアプローチやカーポートやテラスで乱貼りという形で見る事ができます。庭の全体から見ると脇役ですがくだけた感じが見た目も楽しませてくれます。
「飛び石」の各種打ち方
直 打 ち
千 鳥 打 ち
大 曲 り
二 連 打 ち
三 連 打 ち
通路の動線が一直線の場合でも、動線を曲げて自然な流れを造り、 それぞれの飛石の大小でリズム感を出し単調にならないように工夫します。
四 連 打 ち
二 三 連 打 ち
三 四 連 打 ち
雁 掛 け が ん か け
筏 打 ち い か だ う ち
(左)根府川石のカーポート
鉄平石のスロープと階段のアプローチ(右)
室町時代から伝わる「七五三」と呼ばれる飛び石の秘伝の打ち方です。近くの石に大きめの石を使い、遠くの石を小さめにする事で、遠近法の原理で広く長く見せる手法と、挨拶や人が立ち止りそうな部分で、園路の石の配置を巾広くしています。「七五三」とは中国の陰陽五行の思想から始まり、日本ではおめでたい数字とされています。
バサモルタルで下地を造り ノロを流すだけで出来上がる アプローチパネルです。 (受注生産品)